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ID | 項目 | よみがな | ID | 項目 | よみがな | |
31 | 臨界的 | りんかいてき | ||||
48 | 歴史 | れきし | ||||
50 | 理念 | りねん | ||||
51 | 歴史 | れきし | ||||
59 | 歴史の無意識 | れきしのむいしき | ||||
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31 | 臨界的 | りんかいてき |
項目抜粋 | @『心的現象論序説』(北洋社)(S46.9.30 )P163 ・ところでここでまずもんだいになりうるのは<接触>の構造である。 もし、この<接触>が、個体としての<他者>との接触であるばあいは、つねにかぎられた現実の局面で、かぎられた時間だけの<接触>がもんだいとなり、しかもこの<接触>には質的な固定化と、その繰返しという構造がかならずつきまとう。そして、人間と人間との<接触>は、このような意味では、大なり小なり臨界的(kritisch)であり、ある範囲での固定と繰返しとが伴うものである。 それゆえ<接触>の因子は、@かならず臨界的であることであり、Aかならず場所的にまたは時間的に場面が限られることであり、Bさいごに、そのため固定化と反覆とを伴うものである、ということである。そして、これらの因子は<感情>の構造をきめる要素として入りこんでくる、ということができよう。もしも、人間と人間との<接触>が、このような構造的な因子からかならず免れないものとすれば、<接触>の構造を、もっともあらわに要素的にむきだしにするのは、一対の男女における<性>を基盤にした<接触>であるということができる。そして<感情>の構造もここでもっともあらわに要素的にあらわれる。 (P163) |
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備考 | 語義・物質がある状態から別の状態に変化する境目。 国語辞典・福武書店 語義・「因子」…・ある結果を生じるもとになる要素。 |
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48 | 歴史 | れきし |
項目抜粋 | @『世界認識の方法』 表現概念としての〈疎外〉 ・ <歴史>の展開についてマルクスがはっきり言及していて<マルクス主義>者であるなしを問わず誰もが認めざるをえぬことは、たったひとつしかないとおもいます。 それはなにかというと <歴史>は理念でも予想図でも予言でもない。−そういう言葉は使っていませんが意味はおなじです。− <歴史>は、すべての−「選ばれた」、ではなくて、すべての−人間の現実世界での具体的活動の総和だということです。 ヘーゲルの <歴史>の理念は、点【点、に傍点あり】のつまり <発生>の理念として成り立ちます。そしてすべての人間の現実的な活動の総和が <歴史>だ−マルクスのなかで万人に認められるのはこれだけで、あとは個々の立場からの理念と解釈になってしまいますね。 そこでもうすこし詳しくいいますと、市民社会の経済社会構成の部分だけ【だけ、に傍点あり】は、自然科学とおなじように<自然史>的に扱えるとマルクスはかんがえました。そうしますと<歴史>は経済社会だけで成り立っているものではありませんから、さきほどの<歴史>の定義とあわせるとひとつしか答えはでてこないはずです。 もしすべての人間が、社会の経済カテゴリーだけは<自然史>的だという意識あるいは意志によって、すべての現実的活動を行なえば<歴史>は、すべての人々の意志通りに展開するでしょう。−マルクスがいっていることはそれだけのことで、それ以上のことはいっていない。ぼくの理解ではそうなるのです。…・だから、<歴史>はけっして予言できないし、マルクスはけっして予言的ではないのです。…・だから未来という概念についても、コミュニズムの理念が対面するとすれば、たえず現在を止揚する運動としてだけ成り立つといういい方をしています。 (P135-P137) |
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50 | 理念 | りねん | 歴史 |
項目抜粋 | @『世界認識の方法』 表現概念としての〈疎外〉 ・<原生的疎外><純粋疎外><時間性・空間性>といった概念を構成しながら、『心的現象論』を通して展開したかった、そして展開していくべきだとかんがえていることは何かといえば、イメージ(心像)−異常な心像を含めて−とは何かということ、また、<心的世界>の柱−精神病、幻覚、作為体験を含めて−とは何かということになります。 いまのぼくに可能かどうかわからないのですが、これらをおなじひとつの<原則>から理解することはで来ないだろうか−ということになりましょうか。いずれにせよ、対象と対象性、事実性と想像性を含めた意識の源泉といいましょうか、それは同時に倫理の源泉ともなるのでしょうが、そういったものを総括的にあつかいうる<原則>といいますか<場所>が捜しだせたら、という気はしているのです。 いままでのところ、じぶんの展開の仕方は、粗雑で幼稚な点は仕方ないとしても、あまりにスタティックだ、解釈学的すぎるという感じがしてしようがないのですが、漠然と感じているそういう<原則><場所>をみつけることができれば<心的領域>をめぐる問題をほんとうの意味で動態化できるのではないか、そうおもっています。 べつのいい方をしますと、フロイトがよくいっているのですが、ヘーゲル=マルクスの思想を、歴史理念とか社会理念といった形ではなく<心理現象>の理念としてつくりかえるということなのですね。 (P165) |
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51 | 歴史 | れきし | 理念 |
項目抜粋 | @『世界認識の方法』 表現概念としての〈疎外〉 ・いままでのところでは<心的領域>の理念は、心理学か自然科学として、全部その二つの方法であつかっているのですね。全部その二つのいずれかにひき寄せられています。元来が心理学や自然科学の方法だけではあつかいえない、対象となりえない領域を、そういう方法だけであつかうと、かならず抜け落ちるものがあるのです。それをなんとか、ほんとうに把えるにはどうすべきなのか−つまり対象的概念としてあつかいながら、同時に内在的概念としてあつかっていることにひとりでになっている、そういう扱い方を見つけだすという課題になるとおもいます。 (P166) ・現実的な<歴史>にはマルクスが<自然史>の延長としてあつかいうるとかんがえた領域があります。エンゲルスはその領域を無際限に拡大してしまいました。また<歴史>にはここでぼくが<幻想>領域はそれ自体として独立にあつかいうるとみなしてきた領域があります。そしてもうひとつ、マルクスが<自然史>的にあつかいうるとかんがえた領域とここでいう<幻想>領域とが錯合して不可分とみなされる領域があると想定することができます。 これらそれぞれの領域はそれぞれに固有な、そして異なった了解の仕方の時間性を要求されるとおもいます。そして<歴史>という概念はこれらの異なった領域を統一性のところで成り立たせているものだとおもいます。その場所が可能か、可能だとすれば人間はそのときどこに立っているべきなのか、それは絶えず緊張と破裂を要求されるほどきつい場所なのか、それとも安堵と<自然>さを、また怠惰とデカダンスを包括できるものなのかを見つけてゆくことが<歴史>の課題ではないでしょうか。 (P169) |
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59 | 歴史の無意識 | れきしのむいしき | 歴史の自然 |
項目抜粋 | @『柳田国男論集成』(JICC出版局 ) P247-248 ・旧憲法の絶対的な天皇から新憲法の相対的な天皇へ、いいかえれば神聖で侵すべからずの天皇から、人間天皇へ考えを転換させるには、いわば自然にまかせるというやり方があります。あるいは歴史の無意識にまかせるということです。つまり、日本の社会が高度な産業社会に転換していけば、天皇や天皇制にたいする親愛感も反発感も、特殊な日本的なあり方としてひとりでに薄らぎ、解消していってしまうんじゃないか。だからこの場合は文明の成り行き、歴史の成り行きにまかせれば、かならず天皇の問題は相対化されていくとかんがえることができます。 僕らがかんがえを構築してゆくよりは、自然にまかせ、歴史の無意識にまかせて、日本が高度な産業社会の仲間いりをしていくにつれて、天皇にたいする特殊な考え方、特殊な親愛感とか、特殊な反発の仕方が解消していくのはたしかです。もしかすると、僕らがかんがえてやってることは全部無駄で、そういう歴史の自然にまかせておくことがいちばんいいやり方なんだというようにおもえるわけです。そうしますと、いま申し上げた三つの方法で、絶対的な天皇から相対的な天皇制、神聖天皇から人間天皇へという戦後の移り行きは意識のうえでもらくに成し遂げられるにちがいありません。つまり、これらを内側から解明していけばじぶんなりに納得しながらいけるんじゃないか、とかんがえられたわけです。 (P247-P248)・ |
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